歩く事で変わるココロとカラダそして街
いつも拙寺HPをご閲覧いただきありがとうございます。
今回は5月15日に開催されたイベントのレポートを記載します。
イベントについてお話をする前に、100歳まで歩いて通えるお寺プロジェクト(100PJ)は2021年4月より理学療法士の板矢悠佑さん、大阪産業大学スポーツ健康学科助手の嶋田愛さんらと共に始めたプロジェクトです。
2022年現在、主な活動として1.ココカラ相談所 2.ココカラYOGA 3.まちの保健室をしています。
これらはいずれも古来より地域の人たちの共有地として利用された“お寺”を中心として、社会的な孤立をしている方や心身の悩みをお持ちの方へ予防医療を通じて繋がっていきたいという取り組み“社会的処方”です。
ココカラ相談所は月1回、ココカラYOGAは月2回、まちの保健室は月1回を目途に開催してきましたが、これまで約40名以上の方に参加していただきました。その甲斐あってか生野区内においても徐々にこの活動が周知されています。
プロジェクトの1周年記念にあたり生野区民センターをお借りしてイベントを開催いたしましたのでご報告いたします。
ブログの最後には動画リンクも貼っていますのでご覧ください。
レポート
このイベントは“歩く人。”というイベントの形式を採用しました。
“正しく歩くことを通じて健康になろう”という一見何の変哲もない企画のように思われるでしょうが、実は東日本大震災により被災され仮設住宅での生活を余儀なくされた方の為にはじまったものです。
仮設住宅での生活は狭いうえ、被災し大切な人を亡くされた方の心は塞ぎ込んでいました。その結果、運動不足となり人と人との繋がりも希薄になり、歩行機能が低下するという問題が生じました。
その人の繋がりと歩行機能改善の為に“歩く人。”がスタートしたわけです。
今回、その企画者のお2人をお招きしました。1人は高齢者でも関節痛になりにくい歩き方“セーフティーウォーキング”提唱者土井龍雄先生。
2人目は、帝京大学教授・生理学者『歩く人。長生きするには理由がある』の著者でもある佐藤真治先生。
更に、いつもお寺のプロジェクトにご参加いただいているまちの保健室「陽の芽」代表・内科医の小林知加子先生にもお越しいただきご講義をいただきました。
イベントの最後には毎月19日を(いくののひ)としてまち歩きを開催されている木村和弘さんに連れられ区民センターから幸教寺までの2キロの道のりを歩きました。
上記写真は、まち歩きの道中に“思い出に残った場所”を皆で大きな地図に写真を貼ったり、メモを貼ったりしながらこのイベントを振り返りながら記念撮影したものです。
歩くことの重要性を伝え、まちを歩くことによって地域住民との関りを増やし、更にはまちのPR活動にもなるという大変有意義なイベントとなりました。
“正しく歩くことを通じて健康になろう”という一見何の変哲もない企画のように思われるでしょうが、実は東日本大震災により被災され仮設住宅での生活を余儀なくされた方の為にはじまったものです。
仮設住宅での生活は狭いうえ、被災し大切な人を亡くされた方の心は塞ぎ込んでいました。その結果、運動不足となり人と人との繋がりも希薄になり、歩行機能が低下するという問題が生じました。
その人の繋がりと歩行機能改善の為に“歩く人。”がスタートしたわけです。
今回、その企画者のお2人をお招きしました。1人は高齢者でも関節痛になりにくい歩き方“セーフティーウォーキング”提唱者土井龍雄先生。
2人目は、帝京大学教授・生理学者『歩く人。長生きするには理由がある』の著者でもある佐藤真治先生。
更に、いつもお寺のプロジェクトにご参加いただいているまちの保健室「陽の芽」代表・内科医の小林知加子先生にもお越しいただきご講義をいただきました。
イベントの最後には毎月19日を(いくののひ)としてまち歩きを開催されている木村和弘さんに連れられ区民センターから幸教寺までの2キロの道のりを歩きました。
上記写真は、まち歩きの道中に“思い出に残った場所”を皆で大きな地図に写真を貼ったり、メモを貼ったりしながらこのイベントを振り返りながら記念撮影したものです。
歩くことの重要性を伝え、まちを歩くことによって地域住民との関りを増やし、更にはまちのPR活動にもなるという大変有意義なイベントとなりました。
イベントに懸けた想い
イベントを振り返りながらこの記事を書いています。
古来よりお寺とはどのような場所であったでしょうか?
それは、どんな人でも受け入れられる共有地(コモンズ)でした。
その証拠は生野区の近くにある四天王寺の歴史をみれば明らかです。
仏教伝来当初より医療福祉施設(四箇院)として機能していた四天王寺は庶民にひらかれたお寺として今日まで親しまれています。
しかし、ほとんどのお寺はお葬式や法事のイメージが強く、檀信徒以外の方では非日常的な場所となっております。
そこで、従来のお寺のあり方であるコモンズという利点を活かし【健康寿命の延伸】をテーマに活動をしていくことを考えたのがこのプロジェクトのはじまりです。
お寺で健康寿命の延伸をテーマに活動することにより、誰もが自分を大切にでき、心の余裕を他者にお裾分けし、より前向きな死生観を抱ける機会をつくれるのではないかと板矢氏と共に仮説検証をしています。
より前向きな死生観を抱くためには健康寿命の延伸(心身共に安定した状態で、他者との繋がりを感じられること)ウィルビーイングな状態が必要に思います。
年齢が上がるほど精神的にも肉体的にも衰え、それに関する悩みが多くなってくると思われますが、当寺ではそれら心身の悩みを解決する文字通り100歳まで歩いて通えるお寺を目指して活動してきました。
そもそも、これまでの行動を考えれば非常に仏教的だと思っています。なぜなら仏教には“自利利他円満の功徳”という教えがあって、自分だけでなく周りの人にも幸せになってもらうことが善いことだとお釈迦様が伝えられているからです。
その実践といえば大袈裟な気もしますが、今回講演のさなか佐藤先生が仰っていた「立場の弱い人にやさしくしましょう」という言葉はまさにこれではないでしょうか。
立場の弱いという言葉に違和感を持たれる方もいるかもしれませんが、ここでは“孤立している人”あるいは“福祉医療の知識に乏しい人”としておくとして、自分と自分の周りの人たちが幸せであり、その幸せを共有できる地域社会というのは理想の共生社会です。
その地域との繋がりがあれば当然、地域課題も共有でき、その解決にむけて活動するコミュニティも形成されます。この記事で社会学を伝えたい訳ではありませんが、健康寿命の延伸と社会的孤立の両方に“まち歩き”は有効であると今回のイベントを通じて改めて確信しました。
古来よりお寺とはどのような場所であったでしょうか?
それは、どんな人でも受け入れられる共有地(コモンズ)でした。
その証拠は生野区の近くにある四天王寺の歴史をみれば明らかです。
仏教伝来当初より医療福祉施設(四箇院)として機能していた四天王寺は庶民にひらかれたお寺として今日まで親しまれています。
しかし、ほとんどのお寺はお葬式や法事のイメージが強く、檀信徒以外の方では非日常的な場所となっております。
そこで、従来のお寺のあり方であるコモンズという利点を活かし【健康寿命の延伸】をテーマに活動をしていくことを考えたのがこのプロジェクトのはじまりです。
お寺で健康寿命の延伸をテーマに活動することにより、誰もが自分を大切にでき、心の余裕を他者にお裾分けし、より前向きな死生観を抱ける機会をつくれるのではないかと板矢氏と共に仮説検証をしています。
より前向きな死生観を抱くためには健康寿命の延伸(心身共に安定した状態で、他者との繋がりを感じられること)ウィルビーイングな状態が必要に思います。
年齢が上がるほど精神的にも肉体的にも衰え、それに関する悩みが多くなってくると思われますが、当寺ではそれら心身の悩みを解決する文字通り100歳まで歩いて通えるお寺を目指して活動してきました。
そもそも、これまでの行動を考えれば非常に仏教的だと思っています。なぜなら仏教には“自利利他円満の功徳”という教えがあって、自分だけでなく周りの人にも幸せになってもらうことが善いことだとお釈迦様が伝えられているからです。
その実践といえば大袈裟な気もしますが、今回講演のさなか佐藤先生が仰っていた「立場の弱い人にやさしくしましょう」という言葉はまさにこれではないでしょうか。
立場の弱いという言葉に違和感を持たれる方もいるかもしれませんが、ここでは“孤立している人”あるいは“福祉医療の知識に乏しい人”としておくとして、自分と自分の周りの人たちが幸せであり、その幸せを共有できる地域社会というのは理想の共生社会です。
その地域との繋がりがあれば当然、地域課題も共有でき、その解決にむけて活動するコミュニティも形成されます。この記事で社会学を伝えたい訳ではありませんが、健康寿命の延伸と社会的孤立の両方に“まち歩き”は有効であると今回のイベントを通じて改めて確信しました。
生野区はリンクワーカーだらけ
この生野区という土地柄も、この活動をするうえで相性の良い場所だと思っています。
下町情緒に溢れ、おせっかいな人(おっと失礼)面倒見のいい人が多い気がします。
これらは昭和時代を彷彿とさせ、お隣さん同士の縁が自分の生活に良い影響をもたらしていると。
昔は当たり前だった文化もいまや“お隣さんの顔すら知らない”“地域の行事は煩わしい“”等々の理由により希薄になりつつありますが、人間が生きていく上で少なからず自分自身の生活圏、つまり地域との関係性は今後住み続けることを前提とするならば、とても重要なことです。
とはいえ、いきなり知らない人と関係性を築くのは容易なことではないと思います。
そこで重要なってくるのが“リンクワーカー”と呼ばれる人たちです。
リンクワーカーとは名前の通り、人とコミュニティをつなげる役割を果たす人のことで、イギリスで行われている“社会的処方”(高齢者やメンタルヘルスに問題を抱えるような、社会的に孤立しやすい人をサポートしていくという取り組み)に必要不可欠な存在です。
リンクワーカーが介在する利点として、その地域に関する情報量の多さがあります。また情報を頻繁に更新し、適切なものを提供できるといったことが挙げられます。
このリンクワーカーの存在により、知らない人同士でも容易に地域社会に溶け込むことが出来ると思っています。
既にこの役割を担ってくれている団体としては“地域包括支援センター”“社会福祉協議会”“民生委員”などがあげられますが、このプロジェクトにおいては問題を抱えてしまってから処方するのではなく、問題が起きる前に自ら進んで解決策を導き出す処方箋をお伝えしていきたいと思います。
この方は長期的にみれば、例え近所に支援センター等がなかったとしても自ら進んで考え行動していただけるようになると思っていますし、少子高齢化社会で人的不足の解消に繋がる可能性があるからです。
今こそ“困ったときはお互い様”の精神で100PJをこれからも進めて参りたいと思います。
下町情緒に溢れ、おせっかいな人(おっと失礼)面倒見のいい人が多い気がします。
これらは昭和時代を彷彿とさせ、お隣さん同士の縁が自分の生活に良い影響をもたらしていると。
昔は当たり前だった文化もいまや“お隣さんの顔すら知らない”“地域の行事は煩わしい“”等々の理由により希薄になりつつありますが、人間が生きていく上で少なからず自分自身の生活圏、つまり地域との関係性は今後住み続けることを前提とするならば、とても重要なことです。
とはいえ、いきなり知らない人と関係性を築くのは容易なことではないと思います。
そこで重要なってくるのが“リンクワーカー”と呼ばれる人たちです。
リンクワーカーとは名前の通り、人とコミュニティをつなげる役割を果たす人のことで、イギリスで行われている“社会的処方”(高齢者やメンタルヘルスに問題を抱えるような、社会的に孤立しやすい人をサポートしていくという取り組み)に必要不可欠な存在です。
リンクワーカーが介在する利点として、その地域に関する情報量の多さがあります。また情報を頻繁に更新し、適切なものを提供できるといったことが挙げられます。
このリンクワーカーの存在により、知らない人同士でも容易に地域社会に溶け込むことが出来ると思っています。
既にこの役割を担ってくれている団体としては“地域包括支援センター”“社会福祉協議会”“民生委員”などがあげられますが、このプロジェクトにおいては問題を抱えてしまってから処方するのではなく、問題が起きる前に自ら進んで解決策を導き出す処方箋をお伝えしていきたいと思います。
この方は長期的にみれば、例え近所に支援センター等がなかったとしても自ら進んで考え行動していただけるようになると思っていますし、少子高齢化社会で人的不足の解消に繋がる可能性があるからです。
今こそ“困ったときはお互い様”の精神で100PJをこれからも進めて参りたいと思います。
最後に
このイベントの為にご出講いただいた佐藤先生、土井先生、小林先生、木村さん、ご参加いただいた皆様、お手伝いしてくれた学生さん、そしていつも支えてくれるプロジェクトメンバーに感謝の意を表します。
100歳まで歩いて通えるお寺プロジェクト(100PJ)に参加していただける仲間を募集しています。
宗教・職業不問。下記連絡先までご連絡ください!!
連絡先は下記【お問い合わせ】をクリック
動画視聴はタイトルをクリック
100歳まで歩いて通えるお寺プロジェクト(100PJ)に参加していただける仲間を募集しています。
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投稿者プロフィール
- 高校在学中に仏道へと入門し、早20年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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