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ペットと一緒に永代供養

住職 愛犬ラン

最近、ご近所さんから「うちの犬、もう年でいつお迎えがくるかわからないんだけれど、その時供養とかしてくれるんかな?」というご相談を受けました。

私自身も数年前に愛犬を弔いましたので、ご相談されましたご近所さんの心境はよくわかりました。

考えてみますと、ひと昔前まではペットに対して供養するという考え方は少なかったように思います。

しかし、ここ数年ペットは家族の一員であると人間と同じように手厚い供養を考えられる方が増えています。

それに伴ってペット霊園の数も増えていて、飼い主とペットが一緒に入れる永代供養墓もあるようです。

今回は、ペットの永代供養についてまとめました。

永代供養については下記の記事でもまとめておりますので、詳細は下記リンクをご参照ください。

ペットの永代供養

ペットは大切な家族の一員です。

そのため、ペットも人間と同じように手厚く供養してあげたいと考える方も増えてきています。

そのような要望に応えるペット向け永代供養墓を扱う寺院や霊園も増えてきました。

業者によっては葬儀→火葬→納骨およびその後の供養まで、一通り遂行してくれます。

基本的には、他のペットと合葬される「合同納骨」の形を取ることが多いですが、事前に予約をし別途金額(懇志)を支払うことで、僧侶に読経してもらったり、塔婆を建ててもらえたりする場合もあります。

納骨後は、霊園の管理者によって生花のお供えをしつつ綺麗に管理をしてもらえるだけでなく、定期的に読経法要も行われています。

さらに、霊園によっては、郵便やメールにて年忌供養のお知らせをもらえたり、お盆には合同の法要が催されたりと、様々な催しが行われているようです。

ペットの葬祭費用

ペットの永代供養の費用は、主に「永代供養料」と「管理料」および「火葬料」になります。
※供養のための読経は別途の場合が多い

まず、永代供養料は霊園の規模などにより異なりますが、合祀墓と永代供養付で、10,000円~30,000円程度が相場と言われています。

また、この永代供養料の中には「管理料」が含まれている場合がほとんどですが、まれに管理料を毎年必要とする霊園もあります。

次に「火葬料」ですが、こちらは火葬の形態によって料金が変わり、下記の3つがあります。

①合同火葬
②一任個別火葬
③ご家族立会火葬

まず、「合同火葬」とは、霊園のスタッフがペットのご遺体を引き取って、他のペットと共に火葬するタイプです。

遺骨が交ざることになりますから、火葬後は返骨ができません。

次に「一任個別火葬」とは、霊園のスタッフにペットのご遺体を引き取ってもらって、その後、個別で火葬をしてもらうタイプです。

遺骨が交ざることはありませんから、返骨も可能です。

最後に、「ご家族立会火葬」とは、火葬にご家族が立ち会えるタイプの火葬を指します。

個別での火葬になりますから、返骨も可能です。

当然ながら、これらの火葬形態は『ご家族立会火葬>一任個別火葬>合同火葬』という順番で料金が高くなります。

加えて、ペットの大きさなどによっても料金は前後します。

そのため一概にはいえませんが、大体の相場としては下記のような金額を想定しておくとよいでしょう。

・ご家族立会火葬:12,000円~30,000円
・一任個別火葬:10,000円~25,000円
・合同火葬:5,000円~15,000円

また、先ほども少し触れましたが、業者によっては永代供養料や火葬料の他にオプションでお別れのお花、読経、塔婆、ネームプレートなどのサービスなどがありますから、そういったことも考えるともう少しお金がかかります。

ペットと一緒に入れるお墓

ペットは家族の一員ですので、ペットと一緒に永代供養をしてもらいたいという考えを持っている方が増えています。

そのような方のために、ぺットと一緒に納骨できる永代供養墓もありますが、そのような霊園はまだまだ少ないように思います。

なぜなら、仏教では動物を”畜生”(ちくしょう)に分類し、人間よりも劣る存在として見なしているからです。

後述しますが、仏教各宗派的観点からペットと人間を一緒に供養することをお寺は良しとしない傾向にあります。

さらに、宗教的制約のない民間霊園でも、動物嫌いの利用者への配慮から、ペットと一緒に供養することを避ける場所があるようです。

ペットと一緒に永代供養をしてくれる霊園もありますが、そのような霊園でも区画を分けてペットとの永代供養エリアを作り、動物嫌いの方へ対処をしているようです。

また、金額も通常の永代供養よりも高くなる傾向にあり、費用の相場は場所によって異なりますが、80万円以上する霊園もあります。

仏教的観点からみる「畜生」

畜生(ちくしょう)とは、仏教において私たちが生まれ変わりを繰り返す”輪廻転生”(りんねてんしょう)の六つの迷いの世界、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の一つです。

もともとは人間だったかもしれませんが、生前の行いにより畜生道(畜生界)に生まれ、家畜やペット(人間以外の生き物)に生まれ変わるという世界です。

畜生は、常に自分より弱い生き物を探し、自分が餓死する前に、その生き物を食い殺します。

頭脳は発達していないため、本能的に欲のままに「今さえ楽しければいいや」と後先考えない快楽主義の生き方をしています。

このような畜生ですが、この中でも最も恐ろしいことがあります。

それは、畜生は仏教を聞けないので、迷いの世界から抜け出すことができない(救われない)ということです。

仏法を聞いて、修行をして迷いの世界を離れられるのは、人間に生まれたときだけといわれます。

しかし、浄土真宗の御本尊である”阿弥陀如来”は『大無量寿経 巻上』のおいて次のように述べられております。

「設我得佛 十方衆生 至心信樂 欲生我國 乃至十念 若不生者 不取正覺 唯除五逆誹謗正法」

意訳
私(阿弥陀)が仏となる以上、(誰であれ)あらゆる世界に住むすべての生命がまことの心をもって、深く私の誓いを信じ、私の国土に往生しようと願って、少なくとも十遍、私の名を称えたにもかかわらず、(万が一にも)往生しないということがあるならば、私は仏になるわけにいかない。ただし五逆罪を犯す者と、仏法を謗る者は除くこととする。

古来より、人間以外の動物が「仏の救いにあずかることはできない」という解釈が一般的でした。

しかし、そもそも”仏様”という方は、私たち人間の思い計らいを超えた存在です。

学問を修めない、修行をしないから成仏できないし救われないという常識は、少なからず阿弥陀仏には通用しません。

このような解釈から浄土真宗においては「畜生も阿弥陀仏によって救われる」と説きます。

まとめ

ペットの永代供養を受け付けているペット霊園は少なからずあります。

そして、読経や法要など人間と同じように丁重に供養をしてもらえます。

ただし、飼い主とペットが一緒に入れる永代供養墓はまだまだ少ないのが現状です。

永代供養以外にも、自身の家の庭に埋葬したり、遺骨にして散骨したり、役所に引き取ってもらえたりとペットの供養方法は様々です。

当寺にある永代供養納骨壇「アミターユス」はペットと一緒に入れる永代供養墓となります。

永代使用冥加金(料金)を納めていただきましたらご自由にお使いいただけます。

詳しくは下記リンクよりご覧いただけます。

大切なペットのために納得のできる手段を選びましょう。


【永代供養納骨壇 個別区画編】

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早17年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。