BLOG ブログ

僧侶が考察!樹木葬より永代供養墓なワケ

僧侶が考察!樹木葬より永代供養墓なワケ
樹木葬イラスト/無料イラストなら「イラストAC」

皆さんこんにちは。

ガーデニング好きの住職です。

近年、永代供養墓をはじめとする供養の方法が多様化しております。

その中で”樹木葬”という埋葬方法があることをご存じでしょうか?

霊園の運営管理団体によって樹木葬の形態や費用なども様々ですが

今回は、この樹木葬についてメリットやデメリットも含めて詳しく書いていきます。

樹木葬とは

樹木葬とは、簡単に言えば墓標を石ではなく、樹木を用いたお墓のことです。

単身者や子供のいない夫婦を中心に需要が増えているようです。

木の下で眠るようなイメージがありますが、目印となる樹木を「シンボルツリー」と呼び、桜や紅葉、オリーブなど寒暖差のある日本の気候に適した樹木が植えられています。

シンボルツリーの周囲にほかの人と共同で遺骨を納める方法が多くみられますが、各家や個人単位に樹木が用意される場合もあります。

また、遺骨を納める場所の周囲に草花(主に一年草)を植え、イングリッシュガーデンのような景観にしたタイプもあります。

樹木葬の相場

墓石を用いた従来型のお墓を建てるためには、100万円以上費用がかかります。

それに比べ樹木葬は墓石代がかからないので比較的安価となります。

とはいえ、樹木葬にもいくつかの埋葬方法があり、それによって価格が変わります。

一番費用を抑えられるのは、ほかの人の遺骨と一緒に埋葬される合祀(ごうし)タイプです。

合祀タイプのなかには数万円で樹木葬を行えるものもあります。

反対に、専用の区画を用意して個別に遺骨を埋葬するタイプでは平均価格がだいたい50万円からと跳ね上がります。

また、霊園の立地によっても料金は変わります。

駅近や都市部など、アクセスが良い霊園の場合には高価格。

次に郊外、そして街から離れた山や海沿いなどは比較的安価です。

樹木葬の料金内訳は

1. 永代供養料(月々の読経)

2. 永代使用料(納骨場所の使用権)

3. 土地の利用料目印のプレートや樹木の代金(ご納骨などの埋葬料などを含むところが多い)

ただ、当然ながら費用に含まれるものやオプションは霊園によって異なります。

どこまでが料金に含まれているのか、追加で必要な費用はあるのか、きちんと確認をとりましょう。

樹木葬のメリット

樹木葬のメリットについては4つほど上げることができます。

① 費用が安く済む
② 自然葬である
③ 宗派を問わない
④ 後継者のことを考えなくて良い

①費用が安く済む

樹木葬のメリットとして、お墓を立てるなどに比べて 費用が安く済む ということが挙げられます。

近年の永代供養墓や納骨堂などにも当てはまるのですが、建設費用がかからないので、費用相場は平均50万円程度とされています。

その一方で従来のお墓を立てる際には相場として100万円程度かかるので比べると費用の安さがわかります。

費用を抑えることが出来ればご本人様やご遺族の負担を減らすことができます。

②自然葬である

樹木葬というワードを思い浮かべた際、「自然に還る」「景観が美しい」ということを連想されるのではないでしょうか。

山などの自然が好きだった故人様にとっては、自然に還るという埋葬方法は非常に大きいメリットと言えます。
(自然葬に関しては後述しますが場所にもよります)

③宗派を問わない

お墓をはじめとした供養方法は宗派によって細かいルールがあります。

墓石に「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」「梵語」を刻字するなどですが、樹木葬に関しては比較的新しい供養方法なので宗派ごとの細かい取り決めが存在しません。

細かい宗派ごとのルールに囚われたく無いといったような方々に関してはメリットでしょう。

④後継のことを考えなくて良い

納骨スペースに限りがあるので代々のお墓にすることは難しいのですが、これは同時に後継者のことを考えなくて良いというメリットとして捉えることも出来ます。

樹木葬のデメリット

ではデメリットについても4つ見ていきましょう。

①手入れがしづらい
②参拝しづらい
③代々のお墓にできない
④遺骨を取り出せない


①手入れがしづらい

樹木葬は樹木を墓標にするということで、落ち葉などで相当荒れてしまいます。

霊園を運営する業者や参拝される回数にもよりますが、お墓参りの度に落ち葉の手入れなどを行わなければいけない場合があります。

また、根本的に樹木は生き物ですからシンボルツリーにしろ、納骨場所を囲む庭にしろ枯れることもあります。

シンボルツリーなのに枯れたとなると何のための樹木葬なのかわからなくなりますね。

こういったところ樹木葬は”手入れがしづらく管理の難しいお墓”です。

手入れ、管理の楽さを選ぶなら永代供養墓や納骨堂の方がよいでしょう。

ですので、業者が手入れや枯れた時の保証をどのように請け負ってくれるのかをきちんと把握しておく必要があります。

②参拝しづらい

樹木葬には様々な種類がありますが、特に「里山型樹木葬」の場合は都市部から離れた広大な敷地に樹木葬をされることになります。

そういった場合、参拝するにあたってわざわざ山登りや車で数時間の移動をしなければいけないというケースもあるでしょう。

場所を決めた際、景観や費用的には良くても、何回も参拝を繰り返すうちに参拝が面倒になってしまい本末転倒という事例も多いです。

また、拙寺で終活のご相談を受ける際にもっとも”墓じまい”をされる理由が「ご遺族が年配になりそもそも参拝が不可能である」という問題です。

後継者もおらず、永代供養がプランに含まれているならよいのですが、そうでなければ家から遠く離れた場所はおススメしません。

更に、天候や季節にも左右されてしまいます。

参拝のしづらさ以外にも、お供え物に制限がかかることによるギャップもあります。

花立、線香立てなどの供養スペースの無い場所、参拝後持ち帰らなけらばならないケースもあります。

お供え物の制限に関しても場所によって異なりますので必ず確認しておきましょう。

③代々のお墓に出来ない

種類にもよりますが、個別用、夫婦用など人数ごとに区画を分けて販売されることが多いです。

そして納骨場所への保管期間が早い所では13年程度で、そのあとは他の方と一緒に合祀されます。

これらにより、代々のお墓として使用するのは難しいでしょう。

従来のお墓は石材で区画もある程度広いので、一度立てれば代々使えるという利点があります。

代々でお墓を守っていきたいような人にとっては考えた方がよいでしょう。

④遺骨を取り出せない

樹木葬の埋葬方法にもよりますが、ご遺骨を土の中にそのまま埋めるという埋葬方法や合祀だと遺骨を取り出すのは困難です。

骨壷の状態で埋葬する場合や、カロートという納骨場所が明確に分けられている場合は取り出せるので問題ありませんが、故人の方が自然に還ることを望んだ上での樹木葬であれば判断の難しいところでしょう。

後のことを考えて

樹木葬のメリット・デメリットそれぞれみてきました。

イメージと実際のギャップからトラブルになることも多いようです。

樹木葬をするにあたってご本人の意思が最優先かもしれませんが、ご家族の同意を得られるかという点も重要です。

遺族が参拝した時にお墓が無いというのは、一般的な供養方法に慣れている方々にとっては違和感を感じる人も多いでしょう。

散骨をされた方のご相談を受けましたが「特段安いわけではなかった。しかも拝む対象がないので”何に手を合わせたらよいのかわからない”」という辛辣なお悩みでした。

時代の流れだからといって押し付けるのではなく、”現時点では特殊な埋葬方法である”ということは理解してもらう必要がありますし、短期・中期的な目線ではなく長期的な目線で埋葬方法を選んでいただきたいと思います。

まとめ

費用を抑えつつ後継者のいない方。なおかつ、自然を愛していた故人であれば樹木葬はよいかもしれません。

しかし、そうでないなら私は樹木葬はおススメしません。

掃除などの管理が楽なのは生活圏内か都市部にある霊園か納骨堂です。

そして、墓石代がかからないから安価で、そのうえ代理で供養をしてくれる永代供養墓や納骨堂の需要は拡大しています。

拙寺の永代供養納骨壇アミターユスは合祀区画なら5万円から。

個別区画(12寸)なら最大9名まで収骨可能で65万円からとなっております。

従来のお墓ほどの納骨スペースがあるにも関わらず、価格は従来のお墓より安価です。

・大阪市内
・宗教宗派不問
・永代供養付き(32年間保管ののち合祀、月々の供養料1000円以下)
・清掃管理不要
・納骨等必要書類ネット対応
・檀家になる必要なし
・ペット可能
・分納可能
・メールでのご相談可

宣伝になってしまいましたが、1年ほどで徐々にご契約者様も増えてきております。

埋葬方法や供養方法に関して少なからず”永代供養墓”はこれからの時代に相応しているといえるでしょう。

以上、僧侶が考察!樹木葬より永代供養墓なワケ でした。

以下、【】内に関連リンクを貼っておきますの併せてご覧ください。

【初心者必見!永代供養墓の選び方】

【お問い合わせ】

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早20年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。