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おひとり様でも安心!!死後事務委任契約について

皆さまこんにちは。

先日、当寺ブログで”おひとり様の終活”をご紹介いたしました。

まだ読まれていない方は下記リンクをどうぞ

このブログで”死後事務委任契約”について少し触れましたが、今回はもう少し掘り下げて書いていこうと思います。

死後事務委任契約とは

死亡した後の事務的な手続について、第三者に任せる契約のことをいいます。

よく”任意後見制度”との違いを聞かれますが

任意後見契約は、ご本人の判断能力が低下した後、任意後見人が正式に就任することにより、初めてその効力が発生します。

そして、ご本人が亡くなられると、任意後見人の代理権は消滅してしまいますので、任意後見人だった方でも、葬儀等の事務手続きや相続手続きを代理することはできません。

つまり、任意後見人の効力は生前。

死後事務委任契約は名の通り死後となります。

この「任意後見契約締結から、任意後見人が就任するまで」と「本人が亡くなった後」という、任意後見契約だけでは対応できない部分をサポートするため「見守り契約」、「財産管理契約」、「死後事務委任契約」等の手続きがあります。

実際、任意後見契約を結ぶ方の多くは、任意後見契約を単独ではなく、それぞれのご状況に合わせて、「見守り契約」「財産管理契約」「死後事務委任契約」を組み合わせています。


内容そのものに特段の法律上の規定があるわけではありませんが、具体的には、以下のような手続を委任することができます。

(1) 行政官庁等への諸届(役所への死亡届の提出、戸籍関係手続き、健康保険や年金の資格抹消申請、その他)の事務

(2) 通夜、葬儀・告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
(3) 永代供養に関する事務
(4) 生活用品・家財道具等の遺品の整理・処分に関する事務
(5) 医療費、入院費等の清算手続きに関する事務
(6) 老人ホーム等の施設利用料等の支払い及び入居一時金等の受領に関する事務
(7) 公共サービス等の名義変更・解約・清算手続きに関する事務
(8) 別途締結した任意後見契約の未処理事務
(9) 行政官庁等への諸届け事務
(10) インターネット上のホームページ、ブログ、SNS等への死亡の告知、または閉鎖、解約や退会処理に関する事務

(11) 保有するパソコンの内部情報の消去事務
(12) 以上の各事務に関する費用の支払い

 相続人がいない場合や、親族も高齢で死後事務を任せることが困難である場合、法律 (民法)の規定に従った婚姻をしておらずパートナーに死後事務を任せることができない場合などに死後事務委任契約を締結しておくと、死亡後の手続を円滑に進めることができるというものです。

公正証書とは

公証人法という法律に基づき、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書で、公証役場と呼ばれる場所で作成する書類 です。

公証人とは、裁判官や検察官、法務局長などを永年勤めた選ばれた法律の専門家であり、準公務員という扱いになります。

作成の手順については

⑴ 公証役場に連絡(訪問)。公正証書を作りたい旨伝え、担当公証人を割り当ててもらう(直接公証人を指名することも。)

⑵ 担当公証人(及び事務員)に、作成したい公正証書の内容を伝え、また、内容の詰めの協議を行う。⇒必要に応じて、関係資料を事前に送付。

⑶ 公証人が、内容の希望に応じて公正証書案を作成。
⑷ 作成者が公正証書案を確認。内容に問題がなければ、公正証書の内容が固まる。
⑸ 作成者、公証人の予定を合わせて、公正証書作成日時を決定。当日、身分証明書や実印等、作成する公正証書に応じて必要なものを持参のうえ、公正証書を作成。

このようにして、作成された公正証書の原本は法定の期間(原則20年間)公証役場で保管され、当事者には謄本が交付されます。そのため、偽造や紛失などの心配もありません。

ですので、公正証書には証明力があり、執行力を有しており、安全性や信頼性に優れています。

例えば、支払いが滞った場合に、本来であれば裁判で確定判決を受けなければ行うことの出来ない、給与や口座の差押などの「強制執行」の申立が直ちに行えたり、遺言公正証書においては、家庭裁判所の検認手続きが不要となります。

メリット

死後事務委任契約を公正証書で作成するメリットについて。

死後事務委任契約については、死後に委託された人が遺族や知人に示して手続きを行うことが想定されています。

遺族に死後事務委任契約の存在を伝えていなかったような場合には、本当にそのような契約があったのか、本人の意思に基づいて契約を結んだのか、などが明確になっていないとして、トラブルになるケースがあります。

公正証書で作成した場合には、公証役場で本人の意思に基づいてなされたことを確認することができます。

そのため、トラブルとなることを避けやすくなります。

デメリット

死後事務委任契約を公正証書で作成するデリットについて。

1.手間がかかる

上記の通り、公正証書を作成するには希望内容を伝え、協議しなければなりません。


2.費用がかかる

公正証書は専門家によって作成される公文書であるため、作成には所定の手数料がかかります。

作成する書面の中で記載される価額によってかかる手数料は異なります。

詳細な手数料をあらかじめ知りたいときは、内容が決定してから、お近くの公証役場へお問い合わせください。

葬儀及び永代供養の生前予約

このよう死後事務委任契約を公正証書で作成する場合は、その手続きに手間と費用が伴います。

そこで、当寺では「死後事務委任における一部でもお手伝いできないか?」と、生前予約を受け付けております。

【死後事務委任契約書 幸教寺案】

内容

内容に関しては以下、3点。

(1) 通夜、葬儀・告別式、火葬、納骨、埋葬に関する事務
(2) 永代供養に関する事務
(3) 以上の各事務に関する費用の支払い

本来は、委託された人が本人の代わりに行う業務ですが、煩雑な手続きの軽減策として、その葬送儀礼だけでも任せていただけたらと思いました。

上記の通り
・儀式の執行(葬儀一式)
・お骨の管理(永代供養)はお寺で行いますので安心していただけます。

一連に関する手続きは仲介などもおりませんので冥加金以外の費用は発生いたしません。

そして、これらに関する手順や費用はすべて明細を提出し、必要な契約書も当寺で代行いたします。

葬儀・永代供養の詳細は下記リンクをご覧ください。

まとめ

いかがでしたか?

死後事務委任契約は、相続人がいない場合や、親族も高齢で死後事務を任せることが困難である場合、法律 (民法)の規定に従った婚姻をしておらずパートナーに死後事務を任せることができない場合などに死後事務委任契約を締結しておくと、死亡後の手続を円滑に進めることができる有効な手段です。

しかし、その法的な手続きをするのにハードルが高いようにも思えます。

また、委任された側(執行者)も途中で辞任するのも大変難しいです。

これらを軽減するため、死後の業務に携わる僧侶が執行するのは合理的ではないでしょうか。

最後に、これら死後事務を委任できる(任せられる)人は側にいますか?

任せられる人がいて、何でも相談できる間柄であれば契約書など必要ないのかもしれません。

このブログを読んでいただいた方には、いま一度、人との関連性について考えていただきたいと思います。

何かご相談事がありましたら下記リンクよりお問い合わせください。

【お問い合わせ】

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早17年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。