気になる葬儀費用
昨今、葬儀はシンプルな形式が多くなり、少額で済むお葬式を望む方も多くなってきたようです。今回は葬儀に掛かる。費用について書きます。
「費用がアップする背景には…」
①お葬式全般の知識不足
②葬儀社に関する情報不足
「葬儀社のセールストーク」
1、故人様が最後にお使いになられるものですから、こだわったほうが…
2、皆さん、そうされますよ…
※などなど、知識不足から、思っていたよりも費用が掛かってしまう事が多いようです。適切なサービス&価格を学んで、家族が想う形でお見送りしましょう。
仮に車を買うとしたら、実際に試乗したり、インターネットで価格や性能等もよく吟味して選びませんか?お葬式も同じです。その時ではなく、今からよく考えましょう。
ご臨終から費用は発生する
病室で亡くなられると発行される死亡証明もタダではありません。金額設定は病院の自由です。
人が亡くなったことを証明する「死亡診断書」 がないと、その後に火葬する許可証がもらえません。つまり、お葬式ができないということです。戸籍上でも死亡したことにならないので相続手続きもできず、所得税や住民税など課税関係もそのまま継続されてしまいます。死亡診断書は病院で医師に必ず書いてもらってください。 この書類の発行はタダではありません。平均は1通5000円前後 最高は4万5千円
畳の上で死にたい。でも思わぬ出費が生じます。「死体検案書」という書類が必要になります。検案とは、医師が死体に対し、死亡を確認して、死因や死亡時刻、異常死などの鑑別を総合的に判断することです。病院や医師の診療下にあるときに亡くなれば、これらは明らかですが、それ以外の状況だと家族がいくら説明しようが検案を受けるまで死因ははっきりとわかりません。そこで自宅などでの死亡時は、指定医が呼ばれて検索をすることになります。指定医は時間帯に関係なく呼ばれるので、時間外手当や往診料、診断書発行料などがどうしてもかかるため料金は割高です。調査によれば、平均2万円前後でした。
昨今、病院でお亡くなりになるケースが約8割あります。
病院という窓口は、葬儀社にとってはお金を生み出す魅力的な営業窓口。公正取引委員会がまとめた調査報告書によると、遺体1体につき数万円、且つ年間1000万円以上も、病院へキックバックを支払っている葬儀社もありました。また、従業員を病院近くに常時待機させれば、そのコストもかかります。それらのお金のすべては、 病院で紹介される遺族の葬儀費用に上乗せされているのが事実です。「病院が紹介する葬儀社は高い」と言われる背景には、こんな事情があります。しかし、近年は葬儀の縮小化により、病院側への支払いも割に合わないため、上記のようなことは少なくなりました。
大きな費用
お葬式で一番かかる費用は祭壇です。
荘厳な「白木祭壇」から華やかで低価な「花祭壇」へされる方が多くなりましたが、それでも高いのが正直なところですね。
次にかかるのは飲食です。
親族含む参列者へ失礼のないようにと、数を多めに頼んだり、お酒を振舞ったりするとうなぎ登りで費用は増えます。勿論、それ自体に「弔い」の意味もあるので、ここは喪家さん次第ではありますが、もともと「費用を抑えたい。血族のみ。」の方でしたら無理をすることもないでしょう。ちなみに、最近は式場への飲食の持ち込み可も増えております。
そして最後にお布施です。高額ですが、あえて最後にもってきました。
何故かというと、お布施とは物の執着を捨てるという修行法だからです。その経緯から僧侶側は「お気持ちで」と言わざるを得ませんが、一方で施主にとって価値のあるモノ(金額)でなければ布施の意味がないというルールもあります。ですので、個人の采配なんですね。しかしながら、1円玉を取り出して「自分にとって価値のある金額だから」といってもただの非常識としか認識されませんし、トラブルの元になるのでやめましょう。詳しくはお付合いのある寺院(菩提寺)へご相談ください。菩提寺がなければ当寺が相場的なものをお伝えさせていただきます。
お寺で葬儀のメリット
費用についてザックリと見てきましたが、一般家庭出身僧侶の私が沢山の葬儀を経験して思ったことがあります。それは、本堂で葬儀をしたほうが高品質かつ低価格ではないか?です。
何故かというと、上記したように一番お金がかかるのは祭壇費ですが、お寺の本堂には既に「お内陣」というすばらしい祭壇があるからです。既に会場(本堂)にあるので費用はかかりません。そして、葬儀社にもよりますが、本堂への飲食の持ち込みもできるのであれば、更に費用は抑えられます。そして、お寺は全国どこにでもあるのでご自宅に近くてゆっくりご葬儀ができます。ご自宅のそばにあるお寺だからこそ家族でゆっくりお別れの時間がとれます。
- 自宅近くて
- どの祭壇よりも立派な内陣
- 低価格
親族の宿泊や駐車場はどうなるのか?という問題もありますが、その場合は、大手葬儀社にすれば設備が整っていますので、そちらを利用すればよいのです。(割高になりますが)
以下、宣伝です。
当寺では、お寺でする葬儀を推奨しております。伝統に沿いながらも喪家様の移行に添う新たな儀式形態を提案いたします。
例えば、
- お通夜なし葬儀告別式のみの「一日葬」
- 葬儀式当日に49日(満中陰)
- 式次第を簡略化し、お別れの時間を長くする
- 漢文のお経よりも、現代語訳のお経と法話
等々、故人様の弔いと遺族のケアの特化した次世代の葬儀をいたします。詳しくは当寺HPの【お問合せ】にてご相談ください。
以上、お寺での葬儀は規模縮小し、費用を抑えたい方のプランといえるので、これからの時代には相応しているといってよいでしょう。
投稿者プロフィール
- 高校在学中に仏道へと入門し、早20年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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