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お寺でのお葬式を考える

この度、当寺院でのお葬式動画を作成いたしました。

近年、葬儀会館などの利用が多くなりましたが、核家族化や亡くなられる方の高齢化という原因により「家族葬」が主流になりつつあります。

今回、このような葬儀における社会的背景をみた時、全国どこにでもあるお寺は今後、必要とされるのではないか?という仮説検証も含めての作成です。勿論、僧侶歴15年以上の私が監修を勤めましたので、葬儀式の内容、費用につきましても納得いただけると思います。

今回は、お寺でのお葬式(幸教寺のお葬式)について書いていきます。

安ければよいという風潮

物を買ったり、サービスを受けるとき皆さんは、どこを基準に選択しますか?

・1円でも安いほうがいい!
・似たようなサービスなら、とにかく安いほうがいい!
・クーポン利用のできるところ

こんな感じでしょか。
もちろん、同じものなら安い方がお得ですし、私も物品ならネット通販で購入したりしますが、安い店は人も空間もサービスも”やはりそれなり”なことが多いです。(すべてとは言いません)

しかし、サービスという形のないものに関しては価値基準は人それぞれですね。
特に葬儀業界はサービス業ですが、普段知らないもののくせ、突然訪れ、なおかつ悲しい出来事。
この場合、冷静さを失う上、価値判断基準がわからなくなり、結果的に数字だけを見る傾向にならざるをえないようです。

ですので、そうならない為に普段から「終活」することを提案し、定期的にセミナーを私は行っているのです。このセミナーを受けていただいた方から
・「葬儀費用は本来その形式上、お金がかかるものなんですね」
・「葬儀費用の概算がわかりました」
・「満足のいく弔いができそうです」 
等々、様々なご意見をいただきました。

このように、実際に現場の最前線に立つ者として「数万円から直葬」という言葉を謳い文句にする業者はロクなところではないでしょう。
必ず追加費用がかかるか、故人様をモノ扱いするようなサービスしかされません。

サービス・品質は本来、必ず比例するのです。

下記、お葬式に関するblogリンクです。

【お葬式の裏側】

宗教儀礼としてのお弔い

以下、文章はすべて本願寺出版社『新・仏事のイロハ』末本弘然氏 より引用させていただいておりますので、ご参考にしてください。

葬儀の意味
「生」に執らわれ、死の現実から目を逸らせがちな私たちに、(亡き人も含めて)一つのけじめとして死を受けいれさせ、一歩前に進む契機を与えるのが葬儀です。葬という字は、原野に屍を安置する形ですが、これは放置するのではなく、遺体の変わりゆくすがたを直視し、死を受け入れる行為を意味します。また、屍や死という字は、残骨を拝するかたちの象形文字です。すなわち、亡き人の死を受け入れ、今後は亡き人を敬うべき存在として崇めていくことを表すのが「葬」という言葉です。
したがって、葬儀とは、亡き人のいのちを死で終わらせることなく、普遍的な価値を持って関わり続ける存在と私たちが受け止めていく儀式と言えるでしょう。


お通夜の意義
葬儀の前夜には、通夜のお勤めが行われます。通夜とは文字通り、近親者や親しい知人が"夜を通して"ご本尊前の遺体のそばに集い、亡き人を偲びつつ仏さまの救いを味わう法事です。ですから、お勤めが行われる時には参列者も僧侶(調声人)と一緒にお勤めしていただきたいものです。通夜のことを、昔は夜伽とも言いました。一つの布団に入って、本心で語り合うのが夜伽です。亡き人が声なき声で語りかける人生最後のメッセージを心して聞き、送る方も一番伝えたいことを亡き人に語るためにあるのが夜伽であり、お通夜です。


浄土に往き生まれるとは?
「亡き人はどうなるか」ですが、亡き人は、阿弥陀さまの救いのはたらきによって浄土に生まれ、仏となられます。阿弥陀仏が阿弥陀仏たるゆえんは、どんな境遇の者であっても、誰とは問わず、必ず浄土に救いとって仏にならせることだからです。
亡き人の存在を「死」で終わらせるのではなく、永遠のいのちを持った存在として蘇らせるーその一大事業を成し遂げられたのが阿弥陀さまなのです。
「浄土に往き生まれる」と、「死」ではなく「生」で表現されることに注目してください。その観点から言うと、この世での出来事は「生前」の出来事というわけです。


葬儀の形態とは?
一口に葬儀と言っても、形態はさまざまです。大規模に営む社葬、団体葬から、近親者らごく少数で行う家族葬や密葬(後で本葬を営む前の近親者の葬儀を指します)までありますが、これらは亡き人や遺族の方がたの人間関係が大きく関わってきます。社会的に影響が大きい人なら、それだけ多くの方がたが参列しようと思いますし、高齢で亡くなれば、ともに人生を歩んだ友人や同僚たちも先立ち、縁ある人は家族だけということになるかもしれません。
しかし、大事なことは、亡き人の死を悼む人がいる限り、それらの人びとにも知らせ、ともに営んでいくのが、葬儀の望ましいすがただと言えましょう。


「天国」ではなく「浄土」
最近は、亡くなった方の行き先を「天国」と表現される方が非常に多くなりました。弔辞などでも「昇天された・・・・・・」とか「天国に召された・・・・・・」と述べられているのを聞くことがあります。キリスト教信者でもないのに、と首をかしげたくなりますが、この天国という言葉、どうも漠然と使われていて深い意味はないようです。しかし、やはり、浄土真宗の葬儀ではふさわしくありません。というより、浄土に生まれることこそが浄土真宗の教えの根幹であり、阿弥陀さまがすべての人びとを救いとるために用意してくださった究極の安住場所なのです。亡き人がどこにいかれるのか、その行き先をしっかりと見定めていく、そのためにお聴聞(※)していくことが肝要です。天国ではなく、浄土だということを、言葉だけでも知って、使っていただきたく思います。
※お聴聞:仏さまの話(法話)を聞くこと

さらに、以下リンクは本山本願寺からでている浄土真宗の葬儀の中で大切にされてきた「死を受け容れていく心」をテーマとして、大切な方を看取った人の話を紹介している『いのちと死をみつめて』葬儀の流れや、葬儀をするにあたり後悔しないヒント等について説明している『後悔しない葬儀』を貼っておきます。


【いのちと死をみつめて 冊子】

【後悔しない葬儀 冊子】

動画にみる葬儀規模と費用

ここまで読んでいただいた皆さまなら葬儀業界や費用、更に浄土真宗の葬儀の意義についてもお伝えできたと思います。
それでも気になるのは”費用”だと思いますが、土地・葬儀社・規模・形式によってもかなり変動しますので、ここでは幸教寺の費用についてご説明いたします。

ここでようやく動画内のお葬儀費用を書きます。
葬祭費用+お布施(飲食費別)で

ズバリ

70万円(税込)!!

【葬儀式遂行に必要なもの】
祭壇、明記、棺、納棺処置、ドライアイス処置(火葬までの日にち分)、遺影、本骨、白木位牌(過去帳)、中陰机、7具足、ローソク、線香、LED灯明、納棺用品、役所手続き、男性奉仕員、寝台車10k、霊柩寝台車※(火葬料は市町村によって異なるので、別途)


ピントと来ない方の為に日本消費者協会葬儀支援ネットのデータを引用しますと

1.葬儀一式
平均額:1,266,593円

2.寺院費用
平均額:514,456円

3.飲食接待費用
平均額:454,716円

この数字の合計、なんと223万5765円!!

ここから接待費を除いた額は、178万1049円。

当寺院の動画プランと全国平均の差額は108万1049円。

おそらく70万円プランから規模的に飲食費を入れても100万円はいきません。

それよりも更に費用を抑えるらな、当寺院は飲食持ち込み可ですので、それで飲食費は節約することが可能です。

この費用の訳は
・小規模なお寺なので、必然的に本堂で行う「家族葬」20名前後がメイン。
・会場が本堂なので主流で安価な「花祭壇」を設置するため。
・お寺を地域へと開放し、生命倫理や宗教を伝え貢献するため。

以上の理由からこの費用となるわけです。

最後に

お寺の本堂と言えば、かつては檀信徒(檀家)さんしか使えなかったのですが、当寺院は地域に広く開放できるようにいたしました。本堂の荘厳さはどの葬儀会館に負けておりません。(当たり前ですが)
お葬式でもっとも目に映るのは正面の祭壇であることはいうまでもありませんが、お寺の本堂ならどこよりも素晴らしく荘厳で「浄土へ往生された」という実感も湧くと思います。

今回の費用はあくまで「動画内」の費用ですので、実際はここから費用を足し引きをすることになります。それでも他の寺院や葬儀社よりは透明性高く自由度も効くようにしております。
最後に、何度もいいますが事前に見積もりをしっかりとりましょう!
そこからが葬儀を考えるスタート地点となります。
納得のいくお弔いを共にいたしましょう。

最後に動画撮影協力・及び「幸教寺のお葬式」提携業者様のリンクも貼っておきますので、ご興味のある方はご覧ください。

【駕音葬祭】

【花清 大阪支店】

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早17年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。