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幸教寺 春季彼岸会のご報告|浄土真宗のお彼岸の意味と地域の健康づくり

幸教寺 春季彼岸会のご報告|浄土真宗のお彼岸の意味と地域の健康づくり

3月21日、幸教寺にて

幸教寺 × 一般社団法人歩っとこもんず
「春季彼岸会&正しい歩き方講座」


を開催いたしました。

当日は、日頃より100歳体操にご参加くださっている皆さまをはじめ、約8名の方々にご参拝いただきました。春のやわらかな気配が感じられる中、本堂にもまた、穏やかであたたかな時間が流れておりました。

彼岸という節目に、多くの方とともにお勤めをさせていただけたことを、ありがたく存じております。

お彼岸とは何か「彼の岸」に思いを向けるご縁

「お彼岸」は、「彼の岸」と書きます。

迷いの世界であるこちら側の岸(此岸)に対して、さとりの世界を彼岸とあらわします。

春分・秋分の頃は、昼と夜の長さがほぼ等しくなり、昔からこの節目に在家・出家関係なく仏道を実践し、亡き方を偲び、手を合わせる習わしが育まれてきました。

日本では、春と秋のお彼岸に法要をお勤めし、ご先祖さまや亡き方々を偲ぶことが広く行われています。

けれども、お彼岸は単に「先祖供養の期間」というだけではありません。

このご縁を通して、今を生きる私たち自身が仏さまの教えにふれ、自分のいのちのあり方をたずねる、大切な仏縁の時間でもあります。

浄土真宗における彼岸会の意味

浄土真宗において彼岸会をお勤めする意味は、一般的な「修行を積んで彼岸へ渡る」という理解とは異なります。

仏教では古くから、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧という「六波羅蜜」を実践し、迷いの此岸からさとりの彼岸へ至る道が説かれてきました。

けれども浄土真宗では、私たち凡夫が自らの力で修行を完成させ、彼岸へ渡っていけるとは考えません。

煩悩を抱え、思うように生きられず、つい自分中心の思いにとらわれてしまうのが、私たちの実際の姿だからです。

そのような私たちを見捨てることなく、阿弥陀仏が本願をもってはたらいてくださっている。

浄土真宗では、その阿弥陀仏の大悲に照らされ、すでに救いの中にある身として、仏法を聞かせていただくことを大切にします。

ですから彼岸会は、「私が頑張って彼岸へ行くための法要」ではなく、阿弥陀仏のはたらきによって彼岸への道が開かれていることを聞かせていただく法要であると言えます。

亡き方をご縁として手を合わせながら、そのご縁を通して、かえって私自身が仏さまの教えに遇わせていただく。

そこに、浄土真宗の彼岸会の大切な意味があります。

亡き人をご縁として、今を生きる私たちが聞法する

法要では、お勤めの後にお彼岸の由来と、手を合わせることの意味についてお話をさせていただきました。

亡き方を偲ぶとき、私たちは自然に自分の歩みを振り返ります。

「あの方は、どのように生きられたのか」
「私は、今をどのように生きているのか」
「いのちは、どこから来て、どこへ向かうのか」

日々の暮らしに追われていると、こうした問いに立ち止まる時間はなかなか持てません。

だからこそ、彼岸会のような仏事は、私たちにとって尊いものです。亡き方をご縁として、仏さまの前に身を置き、今を生きる私たちが自分自身のいのちを見つめ直す。

そこに、お寺でお彼岸をお勤めする大切さがあるように思います。

ご参拝くださった皆さまも、それぞれに大切な方を思い浮かべながら、静かに手を合わせておられました。

本堂に流れる読経の声の中で、それぞれの思いが、仏さまの前にそっと置かれていくような、そんな時間であったように感じております。

法要の後は「正しい歩き方講座」

法要に続いて、一般社団法人歩っとこもんずによる

「正しい歩き方講座」を開催いたしました。

講師は、歩っとこもんず理事であり理学療法士でもある板矢氏が務め、日常生活の中で無理なく取り入れられる姿勢や歩き方について、実践を交えながら丁寧にご指導くださいました。

ご参加の皆さまからは、

●「意識するだけで全然違いますね」

●「これなら無理なく毎日続けられそう」

●「思ったより動かないもんだね」

といったお声も聞かれ、和やかな雰囲気のうちに学びの時間をともにすることができました。

普段何気なくしている「歩く」という動作も、少し意識を向けるだけで、姿勢や身体の使い方が変わります。

自分の身体の状態にあらためて気づき、日々の習慣を少し見直してみる。

その積み重ねが、健やかな暮らしにつながっていくことを感じるひとときとなりました。

心身に向き合う、お寺のひととき

今回の春季彼岸会では、法要を通して静かに手を合わせ、その後に身体を整える学びの時間を持つことで、心と身体の両面に向き合う一日となりました。

お寺は、亡き方を偲び、仏さまの教えにふれる場所であると同時に、今を生きる私たちが自分自身を見つめ直す場所でもあります。

そしてまた、地域の皆さまとご縁を結び、日々を健やかに過ごすための知恵を分かち合う場所でもあってよいのだと、あらためて感じております。

仏法にふれることと、日々の暮らしを整えること。

この二つは、決して離れたものではありません。

心が少し整うと、身体のことにも目が向きます。

身体が少し整うと、また心にもゆとりが生まれます。今回の取り組みは、そのことをあらためて実感させてくれる一日となりました。

これからも幸教寺では、仏さまの教えにふれる時間を大切にしながら、一般社団法人歩っとこもんずとの取り組みも通して、地域の皆さまとともに歩んでまいりたいと思います。

ご参拝・ご参加くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早20年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。