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幸教寺が大切にしていること:仏教×ウェルビーイングという設計思想

幸教寺が大切にしていること:仏教×ウェルビーイングという設計思想

はじめに:活動は「イベント」ではなく「場づくり」

幸教寺では、法要や仏事だけでなく、地域の方々と共に取り組む活動を続けています。


いく寺保健室、100歳体操、健康麻雀、ココカラYOGA、ココカラ相談所、XI.fitness。

これらはバラバラの取り組みに見えるかもしれません。

でも私たちの中では、一本の芯でつながっています。


それは何かというと

「仏教×ウェルビーイング」 という考え方です。

ここでいう“ウェルビーイング”は、単に「気分が良い」「楽しい」という話だけではありません。


生きる土台が整い、人とのつながりの中で、無理なく日々を歩めること


自分の人生を自分の言葉で引き受け直していけること

私たちは、この価値を「理念」として言葉にし、活動の関係者みんなで共有したいと思っています。


なぜなら、理念が共有されるほど、活動は“継続する力”を持つからです。


そして、支える人が増えるほど、場はやさしく強くなるからです。

仏教×ウェルビーイングによる新たな価値の創造

私たちが目指すのは、次のような状態です。

・苦しみが「ゼロ」になることではなく、苦しみがほどけていくこと

・“正しさ”で人を揃えるのではなく、違いを抱えながら支え合えること

・一回きりの支援ではなく、暮らしの中で何度でも戻れる居場所があること

・専門家だけが担うのではなく、地域の誰もが関われる小さな循環が育つこと

仏教は、”思い通りにならない”という苦しみ(苦)を見つめ、原因を確かめ、ほどく道を語ってきました。

ウェルビーイング科学もまた、心身の健康、つながり、意味、習慣、環境設計などを通じて、人の暮らしを整える知見を蓄積しています。

この二つを“対立”させるのではなく、互いの長所を活かして 「現代の暮らしの中で実装する」。

それが幸教寺の活動の姿勢です。

押しつけないための“芯”

私たちは、宗教教義を一方的に押し付けたいのではありません。

けれど、活動の根にある見方は、どうしても”仏教的”になります。

その“背後のフレーム”を、できるだけ平易に言うなら次の通りです。

1) 縁起:人は「関係の網の目」で生きている

私たちは一人で立っているようで、実は体調、生活、経済、家族、地域、職場、社会制度によって支えられて生きています。

どれか一つが崩れると、暮らしは簡単に傾きます。

だからこそ、個人の努力だけに頼らない「場」が必要になります。

2) 無常:変わるからこそ、整え直せる

人も環境も変わります。

変わるから苦しい。

けれど、変わるから回復も、やり直しも起こり得ます。

私たちは「変化を責める」のではなく、変化に合わせて“整え直す”道を探します。

3) 無我:正しさより、ほどけていく方向へ

“私”は固定したものではなく、状態や関係によって揺れ動きます。

だからこそ、誰かを一つの属性で決めつけない。

「こうあるべき」を押しつけない。

苦しみが減る方へ、少しずつ方向を整える。

それが活動の基本姿勢です。

4) 慈悲:弱さを前提にした、あたたかい設計

慈悲とは、世間でいう立派な行いではなく、苦しみが減るように手を差し伸べること。

そしてそれは、“相手のため”だけでなく、巡り巡って“自分も救われる”働きです。

だから私たちは、気合ではなく”仕組みでやさしさが続く”ように活動をしています。

ウェルビーイングの中核3点

活動の設計で、特に重視している現代心理学の柱は次の3つです。

1. つながり(社会関係資本)

人とのつながりは、幸福や健康に強く関係します。

「つながりを作る場」は、それ自体が大きな支えになります。

2. 自己決定(自律・有能感・関係性)

人は、

・自分で選べている(自律)

・できる感覚が育つ(有能感)

・支え合える関係がある(関係性)

この3つが満たされると、元気が戻りやすくなります。

3. 意味(人生の意味・ユーダイモニア)

気分の良さだけでなく、「自分の人生をどう引き受けるか」。

意味の感覚が育つほど、困難への耐性も増します。

仏教が古くから扱ってきた”生死”のテーマと、よく重なります。

幸教寺の活動は何を実装しているか

ここでは簡素にご説明します。

・いく寺保健室

不安を“相談”として言葉にできる場をつくります。専門性と日常性の間に橋をかけ、支援が途切れないようにします。

・100歳体操

身体の衰えを否定せず、継続できる形に整えます。「できた」の積み重ねで自己効力感を育てます。

・健康麻雀

役割、交流、認知の刺激が同時に起こる場です。一人にならず、自然に“居場所”が生まれます。

・ココカラYOGA

身体・呼吸・注意を整えることで、心の波を落ち着かせます。「頑張る」より先に「緩む」を取り戻します。

・ココカラ相談所

悩みを“正解探し”にせず、ほどく方向を一緒に探します。意味や価値観の整理を通じて、回復の道筋を見つけます。

・XI.fitness

成長が見える設計で、習慣と自信を育てます。強さの誇示ではなく、「続く体づくり」を目指します。

私たちの行動指針(支える人のための5箇条)

関係者全員で共有している、実務の指針です。

1. 尊重:人を評価で決めない。挨拶と礼節を大切にする。

2. 傾聴:答えを急がず、相手の言葉が出てくるまで待つ。

3. 安全:無理をさせない。体調と生活を優先する。

4. 継続:一回で終わらせず、戻って来られる形に整える。

5. 押しつけない利他:善意で支配しない。選べる余白を残す。

支える人も支えられる

幸教寺の活動は、誰かの“支えられる側”だけのものではありません。

関わりが深まるほど、本人のウェルビーイングも育ちます。

関わり方の道筋(ステップ)

1.見学(雰囲気を知る)

2.無理のない範囲で関わってみる(受付、設営、声かけなど)

3.慣れたら運営ミーティング(改善の知恵を出す)

4.得意があれば 企画、発信、協力団体連携へ

専門家である必要はありません。

大切なのは、上の「行動指針」を一緒に守ってくださることです。

実際に、一般社団法人あんのん終活とXI.Fitnessの代表は1~4までのステップを歩み事業を展開しています。

まとめ:理念は“長く続くための糧”

人口減少の時代、合理化・効率化だけでは、地域は痩せていきます。

これからは、小さく、分散し、フラットに、支え合いが循環する場 が価値になります。

幸教寺は、仏教のまなざしを背後に置きつつ、ウェルビーイング科学の知見を用いて、活動を「実装」していきます。

活動に参加していただいき、その上で、

もしあなたが、「参加する側」から「支える側」へ一歩進んでみたいと思われたら、ぜひお声がけください。

一緒に、続く場を育てていきましょう。

下記、【】内お問い合わせでも受け付けております。

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投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早20年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。