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【浄土真宗】戒名と法名の違いを完全解説|費用・位号・菩提寺トラブルまで徹底ガイド

【浄土真宗】戒名と法名の違いを完全解説|費用・位号・菩提寺トラブルまで徹底ガイド

幸教寺には日々、墓じまい、葬儀、人生相談、費用と色々な相談が寄せられています。

その中で、多くはないものの、「戒名について相談したいのですが…」というお問い合わせが何件かありました。


家族のあり方が変化し、お寺との縁が薄くなる中で、

  • 戒名と法名の違いがわからない
  • いくらぐらい必要なのか不安
  • 戒名をめぐるトラブルが怖い
  • 生前法名をもらっておきたい
  • 宗派や菩提寺がわからない

といった悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。

この記事では、まず「戒名とは何か」「浄土真宗の法名はどう違うのか」を明確にした上で、現代で実際に起こっている戒名トラブル3選を紹介し、最後に大切なご案内をまとめます。

できる限り丁寧に書いておりますので、どうぞ安心してお読みください。

そもそも「戒名」とは?

戒名(かいみょう)とは、”本来仏門に入り、戒律を守り、修行に精進することを誓った仏弟子に与えられた名前”です。

【本来の戒名の意味】

● 出家の儀式「授戒」で授かる

● 仏の弟子として戒律を守る姿勢の表れ

● 修行僧が持つ名前

しかし日本では時代が下るにつれ、”亡くなった方にも戒名を授けて弔う文化が定着”しました。

世界的に見るとこれは特異で、死後に戒名を授けるのは”日本特有の風習”です。

浄土真宗は「戒名」ではなく「法名」

浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、戒律による修行よりも「阿弥陀如来の本願をよりどころに生きる」という姿勢を大切にします。

そのため浄土真宗では、戒名とは呼ばず「法名(ほうみょう)」と言います。

【法名の特徴】

● 「釋(しゃく)」+二文字(例:釋○○)

● 僧侶の出家戒ではなく、「仏・法・僧の三つのよりどころに帰依する」姿勢を表す

● 生前にも授かることができる(※)

● 階級(院号・居士など)によるランク付けがない

つまり法名とは、“阿弥陀さまに帰依する、仏弟子としての名まえ”です。

※生前に法名をご希望の方は【】内リンク、「帰敬式」をご参照ください。

【西本願寺 各種お申込み】

一般の「戒名」と浄土真宗の「法名」の違い(一覧)

【他宗派】
名称:戒名
構造:院号+道号+戒名+位号
階級:あり(信士〜大居士など)
基礎となる考え:戒律と修行 ・自力
死後の扱い:位牌へ記載

【浄土真宗】
名称:法名
構造:釋+法名二字(※院号は別)
階級:なし
基礎となる教え:他力本願・阿弥陀仏への帰依
死後の扱い:「法名軸」を使用、過去帳への記帳

「戒名の構造」

※浄土真宗本願寺派にはありませんが、理解のために紹介します。

戒名は次の要素で構成されます。

1. 院号(社会的功績・寺院への貢献)

2. 道号(性格や職業を表す)

3. 戒名(仏弟子の名前)

4. 位号(信士・大姉など階級)

位号は男女別に以下のような序列があります。

● 男性:大居士 > 院居士 > 居士 > 信士

● 女性:清大姉 > 院大姉 > 大姉 > 信女

浄土真宗の「法名」はとてもシンプル

法名は基本的に「釋 ○○」の二文字です。

かつては女性に「釋尼」をつけた時代もありましたが、今は男女平等です。

また、浄土真宗は「戒律による修行ではなく、阿弥陀如来の本願によって救われる」と説くため、法名にランクは生まれません。

浄土真宗は「位牌」を使わず「法名軸」「過去帳」を用いる

仏教では位牌に戒名を刻みますが、浄土真宗には位牌の概念がありません。

【なぜ位牌を使わないのか】

亡くなった瞬間、”すみやかに阿弥陀如来に救われ、迷いの世界にとどまらないから”です。

そのため、霊がそこに宿ると考えません。

【代わりに使うのが「法名軸」もしくは過去帳】

● 掛軸形式、折本形式

● 法名と没年月日、俗名を記す

● 四十九日までに準備するのが一般的

● 記入は手次寺(菩提寺)へ依頼するかご自身で記帳

戒名・法名をめぐるトラブル3選

戒名に関するトラブルが増えています。

相談内容を参考にここでは「3つ」紹介します。

トラブル①:高額な戒名料を請求された

宗派によっては戒名に階級があり、寺院ごとに金額設定も異なります。

【よくある声】

●「想像よりはるかに高額だった」

●「説明されていないランクを勝手につけられた」

●「戒名代として50万円〜100万円を請求された」

これは珍しい話ではありません。

【トラブルを回避するには?】

● 葬儀前に寺院へ必ず金額の確認を取る

● 葬儀社任せにしない

● 階級が必要かどうか家族で話し合う

※浄土真宗本願寺派には階級がありません。また、金額で名前の価値が変わることはありません。

トラブル②:菩提寺以外で戒名をもらい、納骨を拒否された

非常に多いのが下記の例です。

先祖代々のお寺(菩提寺)ではない寺で戒名をもらった結果、「その戒名では納骨できません」と言われたケース…

【なぜ拒否されるのか?】

● 宗派の教義が異なる

● 菩提寺との関係が崩れてしまう

● 先祖の位牌・墓石などと整合性がとれない

【実例(実際にあった相談)】

葬儀当日、夫側の親族から「この戒名、宗派が違うよ」と指摘され、場が険悪に。

葬儀後、夫側の菩提寺に納骨の連絡をすると、「その戒名では受け入れできません」と言われ、戒名をつけ直し、結果的に約50万円を2回支払うことになったという方がいました。

【防ぐためのポイント】

● 必ず最初に菩提寺へ連絡を取る

● 遠方でも連絡は必須

● 判明しない場合は親族へ確認する

トラブル③:宗派が違う戒名をつけられ、親族間で衝突

同じ「浄土系」でも、

浄土宗

浄土真宗本願寺派

真宗大谷派

など、宗派は多岐にわたります。

【宗派違いの戒名が問題なのは?】

● 付け方が異なる

● 過去帳との整合性が取れない

● 位牌に刻めない

● 菩提寺が受け入れない場合がある

葬儀の場で親族に注意され、悲しい思いをされた方もいます。

その他の相談

● 経済的理由で不安

葬儀、納骨相談の際、生活困窮の方が「法名代が払えない…」と心配されましたが、幸教寺では状況に応じて柔軟に対応しています。

● 墓じまいで戒名の有無を不安に思う

他宗の墓じまいで、戒名のない遺骨が混ざっていたケースでも幸教寺の合祀納骨堂では丁寧に説明、選別し、ご納骨の際に法名を授与させていただき不安を解消しました。

● 子どもに迷惑をかけたくない

終活で法名を生前に授かり、子供に負担をさせないようにしたいという相談も増加しています。

浄土真宗の「法名」が示すもの

法名とは、

”仏法をよりどころに生きる、仏弟子としての名”です。

お金の多寡やランクで救いが変わることはありません。

阿弥陀如来の光は、すべての人に等しく注がれます。

まとめ:迷ったら、早めにお寺へ相談を

戒名・法名をめぐるトラブルは、事前に確認しておけば避けられるものばかりです。

● 高額な戒名料

● 菩提寺との不一致

● 宗派の違い

● 位牌・法名軸・納骨の流れ

● 墓じまい・改葬の問題

どれも、ひとつひとつ丁寧に確認すれば解決できます。

幸教寺では、経済・事情・宗派・家族関係に寄り添いながら、安心して相談いただける体制を整えています。

どうぞ、悩みをひとりで抱えずにご相談ください。

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早20年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。