BLOG ブログ

何故永代供養が人気なのか?!そのワケ

何故永代供養が人気なのか?!そのワケ

皆さんこんにちは。

日頃の法務で”永代供養”や”墓じまい”に関するご相談を受けております。

例えば

「子供が関東へ転勤になり、いつ帰ってこられるかわからない状態になった」

「お墓が山奥で年々足が遠のくようになった」

「介護医療費にお金がかかってお葬式やお墓までお金をかけられないので、どうすればよいか?」

このように、後継者、遠方、維持管理、費用等の問題が多く寄せられております。

そもそも、従来のお墓というのは”その土地に住み続ける”ことが前提でした。

昭和の時代、高度経済成長期には生活拠点が安定していたので、多少遠くても先祖代々受け継がれ、子や孫といった親族の手によって管理してもらうことが当たり前だったのです。

しかし、平成以降ライフスタイルの変化に伴い、供養に対する考え方も変わりました。

その理由は

  1. 分譲住宅やマンションに和室がなく「そもそも仏壇が家にない」
  2. 核家族が当たり前となり、上の世代がお仏壇の世話をしているところを見たことがないので先祖や仏様に対する宗教的関心が希薄となり「無宗教」や「後継者不在」
  3. 長期的な不景気と大企業の内部保留、物価高による収入の不安定さ、社会保障費の削減と高齢化に伴い介護医療費に家計を圧迫され「葬祭費用にお金がかけられない」

このような事態に遭遇、あるいは避けるため、50~60代くらいの施主様が墓じまいをし、跡継ぎ不要で従来のお墓より安価な永代供養墓を選ぶ人が増えているのです。

お墓の跡継ぎがいないと無縁仏(管理者がいない)とみなされ墓石撤去の対象になってしまうため、お墓に眠るご先祖様のためにも、このような事態は避けるべきでしょう。

今回は、永代供養が人気なワケ永代供養の方法について解説していきます。

永代供養について

永代供養とは、お墓の管理を寺院や霊園に委託することです。

万が一、お墓の跡継ぎがいなくなったときでも、永代に渡ってお墓の清掃やその供養までも親族の代わりにしてくれることをいいます。

永代供養は、少子高齢化・核家族化という時代のニーズに応えたお墓といえます。

永代供養のタイプ

永代供養にはさまざまなタイプがありますが、大きく分けて2種類です。

1. 大きな供養塔などに他の人と一緒に埋葬される合祀墓(ごうしぼ)

大阪では一心寺や四天王寺、瓜破霊園などが有名です。

合祀墓は、骨壺から遺骨を取り出し、粉骨され、他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から個別に取り出すことができません。

しかし、その分一体5万円程度からと安価なのが特徴です。

ただし、後でご説明しますが、墓じまいの後に残される先祖の骨壺は、多ければ10個近くになることもあります。

10体であれば50万円もの出費になってしまいます。

また、改めてお骨を埋葬する際、埋葬できるお骨の量が決められている場合がありますので、お骨のすべてを埋葬できるとは限りません。

詳しくは合祀を検討されている霊園やお寺に相談しましょう。


2. 一定期間納骨堂などで個別に弔った後、合祀墓へ埋葬。

最終的に合祀墓へ埋葬されることは一緒ですが、一定期間は個別に管理され手厚い供養をしてもらえるのが特徴です。

また、本人や親族が希望すれば個別管理期間(使用期間)を延長することも可能ですので、”従来のお墓に近い形”ともいえます。

下記【】内でもわかりやすく解説しております。

永代供養の費用

永代供養の費用についてです。

まずはじめにお墓の料金システムについてご紹介いたします。

ご存じない方も多いのですが、お墓の購入は霊園などの管理者から”お骨を埋葬する場所の使用権をもらう”ということです。

その使用権をもらった(許可された)上に墓石を自身で購入してお墓を建立するのです。

ですので、従来のお墓は

使用権+墓石代+お布施+年間管理費=金額

このようになります。

一方、永代供養墓は

使用権+お布施+年間管理費=金額

従来のお墓と比べて墓石代がかからないことが多いのでその分安価と言えます。

更に、合祀墓の場合ですと年間管理費が無料のところもあります。

従来のお墓より管理が楽で、その上費用的にも安価なのが永代供養なのです。

自分の墓は自分で選ぶ時代

今後2040年までに核家族や独り身世帯が増え、3世代世帯(祖父母・夫婦・子ども)は減少傾向にあります。

今やお墓をめぐる問題は珍しくありません。

「子どもに負担をかけたくない」「一生結婚しないかもしれないから、自分のお墓はどうしよう」など、お墓にまつわる様々なお悩みがあります。

このようなお悩みは都市部だけのものではなく、地方においても同様に深刻なものとなっています。

このような状況で「自分のお墓はどうしたものか?」という関心が高まっていることは冒頭でも書きました。

永代供養は、従来のお墓と比べて費用面でも安価であると解説しましたが、それでも費用面に問題を感じておられるのではないでしょうか。

そこで、最近では永代供養墓の購入を仲のいい友人やサークル仲間と一緒に購入する”墓友”が増えています。

例えば、6名様が収められる区画60万円を1名で購入すれば全額負担となりますが、これを墓友全員で購入すれば費用÷人数で価格を抑えることができます。

ちなみに、法律上”お墓に入るのは戸籍上親族でなければならない”という法律はないので可能です。

今までは家族・親族を代表してその代表者である施主様がお墓の費用を負担されていましたが、それも今後の時代においては必要ないのかもしれません。

選ぶタイミングは、ご自身やご親族の方が亡くなる前に、あらかじめ霊園や寺院と相談します。

このときに必要な費用を支払うので、ご自身やご家族、メンバーが希望し納得した形でお墓の管理を寺院に任せることができます。

つまり、生きている間に自分のお墓を自分で決めることができるのです。

永代供養ですから、自分の死後、お墓参りする方がいないなどという心配はいりません。

遺される人への思いやりや、ご自身の死後の不安など、様々な思いからお墓の在り方を考える方が増えています。

永代供養は、現代のニーズに合ったお墓であるといえるのではないでしょうか。

墓ともについては下記【】内リンクをご覧ください。

【墓友について】

墓じまいの手順

永代供養をするにあたって、もう一つ問題なのが”墓じまい”です。

墓じまいとは、現在のお墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去して墓所を更地にすることです。

※お墓がない方は飛ばしていただいて構いません。

すでにお墓を持っている方が、墓じまいをしてお墓を引っ越すまでに必要な手続きは、法律で定められています。

大きく以下のような流れになります。

1.墓じまいや改葬の是非を家族・親戚で話し合う。
2.新しい移転先を決め、墓地管理人より「受入証明書」をもらう。
3.現在お墓がある管理人に墓じまいの意思を伝え「埋葬証明書、墓地返還届」をもらいお墓を更地にする業者を決める。(この時、閉眼供養をしてもよい。又、2.3の順序が逆でもよい)
4.現在お墓がある地域の役所から「改葬許可申請書」をもらい、役所に「受入証明書」と「埋葬証明書」を提出する。(改葬許可申請書をもらいにいく時点で「受入証明書と埋葬証明書」があるとよい。)
5.お付き合い寺院(菩提寺)に「閉眼供養」をしてもらい、墓地管理人へ「改葬許可証、墓地返還届」を提示し、現在のお墓からお骨を取り出し移動させ、お墓を撤去し更地にする。
6.「改葬許可証」を移転先の管理人へ提示し、「納骨式」を行い、お骨を収蔵する。

多くの人にとって墓じまいは人生で何度も経験することではないため、上記の手続きを全て自分でおこなうとかなりの時間と労力がかかります。

当寺では墓じまいのサポートもしております。

詳しくは下記【】内リンクをご覧ください。ご相談もお受けしております。

【よくあるお問合せ(改葬申請と分骨)】

【お問い合わせ】

まとめ

以上、永代供養が人気なワケを解説しました。

時代の変化に対応したスタイルであること。

費用面が従来のお墓より安価であること。

これらについて解説しましたが、評価されるポイントは経済的なメリットばかりではありません。

それは、故人が安息する場所としての居心地のよさや血筋を問わない受け皿の広さも、利用者の評価高めているということです。

永代供養は、時代の流れに沿った埋葬・供養方法なので、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

以上、何故?永代供養が人気なワケでした。

投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早17年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。