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客観的視点が日常を変える

マインドフルネス(瞑想)とは、自分の内面に意識を向け、思考や感情や行動について、その解釈や良し悪しの判定をせずにただ観察するための方法です。瞑想の具体的な実践方法についてはセミナーでご紹介いたしますが、そのメンタルに与える効果はすさまじく、グーグルやアップル、またゴールドマン・サックスなど、世界中の名だたるトップ企業が、このマインドフルネスの実践を会社ぐるみで取り組み始めているのです。それではなぜ、これほどまでにマインドフルネスが注目させているのでしょうか?それは、この瞑想習慣を持つことによるメンタルへの効果は、実感レベルにとどまらず脳科学的な観点からその効果がどんどん証明されているからです。

西洋問わず、古来より瞑想は様々な宗教にも取り入れられてきました。それは先ほども記したようにメンタルに与える効果が凄まじいからです。その効果により、神仏と交信し対話を図ってきた古来の人々には頭が下がる思いです。それでは、瞑想には、どのような効果があるのでしょうか?詳しくみていきましょう。

シンギングボウル瞑想

瞑想がもたらす効能

瞑想がもたらす効能は様々ですが、ここでは2つ紹介したいと思います。

 まず1つ目は、瞑想習慣を持つことで、自分をコントロールする能力が高まるというお話を致します。自己コントロール能力と大きく関わる脳の部位は、前頭の奥深く、前頭葉の後ろ側にある前帯状皮質(ACC)と呼ばれる部位です。この部位は、主自分を制御する能力と大きく関わっています。具体的には、自らの注意と行動の対象を意図的に決め、その場にふさわしくない反射的な行動を抑え、臨機応変に対応することを可能にする部位です。このACCの活動が弱いと、衝動的になりやすく、攻撃的であり、また柔軟な思考ができません。しかし、瞑想の実践者の脳をそうでない人の脳と比較した結果、瞑想実践者のACCは、そうでない人よりも活発であり、当然自己制御力のテストにおいても、高い成績を残しました。

 2つ目は、瞑想習慣によって海馬の密度が高まるということです。海馬は、脳の大脳辺縁系という、主に感情や記憶に関わる部位の一部です。この海馬には、ストレスホルモンの1つであるコルチゾールと結合する受容体があり、慢性的なストレスによってダメージを受け体内で悪循環を引き起こす原因となってしまう部分です。実際、うつ病など、ストレス関連の障害を患っている人の海馬には萎縮が見られます。また、海馬は、逆境から再起する力に深く関わっている部分でもあり、困難に立ち向かうためにはこの海馬が重要な働きをしています。そして、瞑想の実践者の脳をそうでない人の脳と比較した結果、瞑想実践者の海馬は、そうでない人よりも密度が高く、実際ストレスへの免疫力が強く、また困難を前にしてもさほどストレスを感じないということが実験から分かっているのです。

 ここまでの内容をまとめますと、瞑想習慣を持つことによって、脳の機能は高まり、自分をコントロールする力及び、ストレスに対する抵抗力を高めてくれることがわかります。また、そのほかにもマインドフルネスによる瞑想の効果は多く実証されており、例えば、「創造性のためのマインドフルネス」という本では、マインドフルネスによって、問題解決に必要となる創造性が高まるということが解説されています。

 最後に、当寺では「ココロとカラダの健康」をテーマにマインドフルネス瞑想を推奨しておりますが、瞑想はいうまでもなく仏教の修行法の1つです。紀元前より培われた膨大なノウハウの上に瞑想は成り立っているわけですが、実は他にも瞑想方法はございます。そのうちの1つは、シンギングボウルというチベット僧が使うお椀を用いた瞑想法なのですが、毎月15日1時間程度、【シンギングボウル瞑想】を本堂において開催しておりますので是非、下記リンクよりお越しくださいませ。

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投稿者プロフィール

石原 政洋
石原 政洋住職
高校在学中に仏道へと入門し、早17年以上携わっております。当寺ではあらゆる角度から仏教の素晴らしさをお伝えするとともに、仏教伝来より培われてきた伝統文化と健康を共有する「体験型」寺院を目指し活動しております。ライフスタイルの多様化により、葬送や納骨などの形式が変化している近年です。終活に関するご相談も随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。